25 9月 2020 16:00-17:10


男性が理想とする育休とは?


日本もスウェーデンも世界の中でも最も恵まれた父親休業制度があります。日本の法律では、両方の勤労者の育児休暇を最長12か月間認め、育児休業給付金は、育児休業を開始してから 180日目までは、休業開始前の賃金の母親は約67%、父親は58%となります。

スウェーデンの制度では、両親には480日の両親休暇制度があり、両者間で配分が可能ですが、内90日は互いに譲ることができません。 言い換えれば、スウェーデンの父親は、父親だけに配分された90日間を取得する権利があります。どちらの制度でも父親は育児休業を取得する寛大な機会を提供されていますが、依然として男性の取得率は女性の取得率を下回っています。

スウェーデンでは、約90%の父親が育児休業を取得していますが、平均すると、取得可能な日数の30%しか利用していません。日本の父親は育児休業を取得する率がわずか6%となっています。これらのうち、育児休業を取得する日本人の父親の約80%は、1か月未満の取得となっています。両国に素晴らしい制度がありながら、依然として育児休業取得率については男性と女性の間で大きなギャップがあるのはなぜでしょうか。

「スウェーデンのパパたち」にヒントを得た「霞が関のパパたち」が国家公務員制度担当大臣武田良太氏主導のもと開催されましたが、スウェーデンと日本とのよい連携を表す一例となりました。父親が育休を取得できる環境とはどうあるべきか、また男性が望む育児参加のスタイルや男性の立場から見た育休とは?コロナ禍でテレワークが始まりましたが、生活への変化はあったのでしょうか。スウェーデンの政策的また意識的な変化の過程を紹介するとともにスウェーデンと日本の両国で育児休業への意識がどのように変化しているのか、どのような変化が望ましいのかを各方面を代表されるパネリストをお迎えし議論したいと思います。

スウェーデン大使館 男女平等ウェビナー
「ジェンダーギャップを埋めるカギは男性が幸せに育休をとることに? ースウェーデンの経験と日本の現状」

開催日時:9月25日(金)16:00-17:10
会場:オンライン
言語:日本語(※フォーナンダー氏とモデレーターのやり取りは英語で行い、要約を日本語でお伝えします) 

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    プログラム

    16:00

    写真展『霞が関のパパたち』会場からスウェーデン大使館公使参事官レーナ・フォン・シドーの挨拶

    7月末から8月上旬に開催された「霞が関のパパたち」に公使参事官レーナ・フォン・シドーが視察した時の様子をご覧いただきます。内閣人事局(女性活躍促進・ダイバーシティ担当)企画調整官の永田真一氏より「霞が関のパパたち」を開催することになった背景についてお話頂きました。


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    16:05

    パネルディスカッション1「制度は育休取得を促進できるのか」

    先月、政府は、男性の育児参加を促すため、現在は母親にしか取得が認められていない産休制度の父親版ともいえる新たな制度を創設する方針を固めました。これは配偶者産後1カ月の間に育休を取る男性に給与の100%を支給するという案です。この制度が父親の育休取得の追い風になるのでしょうか。当事者としての男性の希望を叶える、男性にも人生の選択肢を与えるにはどうすべきでしょうか。また、女性からみた理想的な男性の育休とは?二人の子の出生時にそれぞれ一か月の育休を取得された瀧岡祐治氏と夫が5回の育休(出産支援休暇等)した佐藤有里氏にお話を伺います。

    モデレーター:治部れんげ氏

    パネリスト:国土交通省東京航空局保安部管制技術課 瀧岡祐治氏、特定非営利活動法人くにたち農園の会 理事 佐藤有里氏

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    16:25

    パネルディスカッション2「男性の育休取得を阻むものとは」 

    日本では育休取得した人の仕事をいかに代替するか、育休が昇進を阻止するのではといった懸念が大きな課題になっています。40 ~50年前のスウェーデンも今の日本が置かれているような状況にありました。佐藤吉宗氏からスウェーデンの男性育休制度の変遷やスウェーデン大企業での男女平等について、また実際に現在の日本のような、ひと昔前のスウェーデンで生まれ育ったシェル・フォーナンダー氏には過去のスウェーデンについて語っていただきます。スウェーデンの今日までの道のり、そしてまだ残されている課題を浮き彫りにすることによりこれから日本がどう変化できるのか、変化すべきなのかを考えてみたいと思います。

    モデレーター:治部れんげ氏

    パネリスト: SEB(Skandinaviska Enskilda Banken)銀行データ・サイエンティスト佐藤吉宗氏、NEXTINC 代表取締役社長シェル・フォーナンダー氏

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    16:45

    まとめと質疑応答「コロナ禍による新しい働き方とこれから」

    コロナ禍で自宅にいる時間が長くなっているかと思いますが、家庭内での育児・家事分担に変化はあったのでしょうか。理想的な暮らしとは?モデレーター:治部れんげ氏パネリスト:ご登壇者全員(視聴者からの質問にお答えします。ご質問は参加登録時とライブ参加時にチャットで投稿いただけます)

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    Speakers

    治部 れんげ氏
    ジャーナリスト

    昭和女子大学現代ビジネス研究所研究員。東京大学情報学環客員研究員。日本政府主催の国際女性会議WAW!国内アドバイザー。東京都男女平等参画審議会委員(第5期)。公益財団法人ジョイセフ理事。一般財団法人女性労働協会評議員。朝日新聞論壇委員。著書に『稼ぐ妻 育てる夫』(勁草書房)、『炎上しない企業情報発信』(日本経済新聞出版社)等

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    瀧岡 祐治氏
    国土交通省東京航空局保安部管制技術課工事第二係長


    今年7月末武田良太大臣主導の元、内閣府本府庁舎・中央合同庁舎にて開催された写真展『霞が関のパパたち』のパパ代表。国土交通省東京航空局保安部管制技術課工事第二係長。育休取得時は国土交通省航空局交通管制部管制技術課技術管理センター技術管理航空管制技術官。二児の父。長男と長女が誕生したときにそれぞれ一か月の育休を取得。妻は国土交通省東京航空交通管制部航空管制技術官。長男出産後から継続して育児休業中。

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    佐藤 有里氏
    特定非営利活動法人くにたち農園の会理事

    東京国立市在住。特定非営利活動法人くにたち農園の会理事、特定非営利活動法人森のようちえん全国ネットワーク連盟 理事を務める。佐藤氏の夫は2002年〜10年間に第一子から第四子までは出産支援休暇を取得、第五子出産時には半年間育児休暇を取得。夫婦とも、学生時代から野外体験活動の指導をしてきたこともあり、「一人で生きられる」「家事力」「子育て力」=自立が基本にあると考えている。現在、子どもたちは、小学4、6年、中学3年、高校生1、3年生。

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    佐藤 吉宗氏
    SEB(Skandinaviska Enskilda Banken)銀行データ・サイエンティスト

    2000年よりスウェーデン在住。2002年、ヨンショーピン大学で経済学修士号を取得。2012年、ヨーテボリ大学で経済学博士号を取得。2013年より2018年までストックホルム商科大学・欧州日本研究所に所属。2018年からはスウェーデンのAIコンサル企業Combient MIXにデータ・サイエンティストとして勤務し、大手銀行の一つであるSEBにて人工知能モデルの開発に従事している。共著に『スウェーデン・パラドックス』(2010年)、スウェーデン語からの訳書にイサベラ・ロヴィーン著『沈黙の海』(2009年)、『スウェーデンは放射能汚染からどう社会を守っているのか』(2012年)がある。現在3歳になる息子の育児のため、育児休暇を半年間取得した経験がある。

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    フォーナンダー シェル氏
    Next Inc 代表取締役社長

    1969-1972はスウェーデン海軍予備役軍大佐(潜水艦隊)務める。1976年にストックホルム大学ジャーナリズムで学士号を取得。その後、スウェーデンの大手出版社や新聞社で編集長、リポーターなど務める。1987-1995年はスウェーデンのAftonbladetのアジア特派員として東京に拠点を置き、アジアのニュースをスウェーデンに向けて発信。1996年よりNext Inc 代表取締役社長。来日して数年して結婚、長男をもうける。妻も起業家であり家事も育児も分担して行った。

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    Organized by

    スウェーデン大使館
    ambassaden.tokyo-events@gov.se